育児休暇明け、職場に復帰したとたんにパワハラやいじめが始まる、仕事を干される、そんな体験をしたことがある人は多いかと思います。

私もその中の1人です。
本当に辛いですよね。
辞めるわけにもいかないので、環境を変える努力をし、無事に変えることに成功しました。
私が取った方法で皆が職場の環境を改善できる訳ではないですが、参考にはなるかと思います。

経済的に仕事を辞めるのは厳しいため、母として強い心を持ち、肚を決めて仕事を継続するために戦いました。
そして、これは育児休暇明けの定時帰りや時短勤務に対するものだけではなく、パワハラ・いじめで悩んでいる人全般に参考になる内容かと思います。
仕事に対する心得と今回の作戦への準備
環境を変える行動を起こす前の準備段階です。
ここを間違えると結果は出ないので、かなり重要です。
戦うときちんと肚を決め、準備をするのが大事。
会社は遊びに行っている訳ではない
超・大事。
わかっている人もいますが、意外ときちんと理解していない人も多いです。
会社は利害関係者の集まりです。
仲良しを作りに行っている訳ではありません。
パワハラやいじめを実際に受けているのであれば「プライベートでも遊びます」のような環境は作ろうと思うのはやめましょう。
会社は収入を得る為に行く場所です。

そもそも、パワハラやいじめをしてきたり、それを止めたりフォローしてくれない人たちと仲良くなってもしょうがないよね
腐らない、腐った態度は絶対に見せない
どんなに嫌なことをされたって、仕事をやる気がない人のことを心配してくれる人はいません。
どんなに辛くても、多部署・外部の人に心配してもらえるような態度で過ごすことはとても大事です。

実際に同じ部署で、ふて腐れて仕事が疎かになった人は、周りの部署からも同情されませんでした
周りが心配しているという雰囲気作りは、パワハラやいじめによる辛い環境の改善に必須です。
何もしなければ環境は変わらない
「こんなに酷いパワハラやいじめなら、きっと誰かが助けてくれるはず」と白馬の王子様でも期待するような発想はやめましょう。
来ません。

みんな自分が大事
ここは収入を得る為に来ている場所
リスクを犯してまで助けてくれる人は、ほぼいません
人は変えられません。変われるのは自分だけです。
今の環境が嫌なら自分自身が変わって、アクションを起こすしか改善の手立てはありません。
絶対的に迷惑をかけていることは理解する
他の人よりも早く帰った分、他の人がこなした分だけご迷惑をおかけしていることは事実です。
本来なら会社がそれでも問題無いように人員を割かなければなりません。
ですが、人員がそこまで割かれていなくても、それは同じ部署の人のせいでは無いです。
定時退社・時短勤務は権利でもあります。
でも、申し訳ないという言葉と態度は全面に繰り返し出しておきましょう。

まわりの部署の人たちの自分の心証を良くするためには必須!
情報は最大限に拾えるようにする
できれば、フロア全体の責任者クラスの上司がどう考えているか(自分のパワハラ・いじめだけじゃなく)を拾えるようにしておきたいです。
直接は聞けなくても、行動・発言からどういう方針を持っているのかがわかればベストです。
(例:問題なく過ごしたいことなかれ主義系、自分の評価が一番大事系、部署の環境改善を積極的にしたい系、など)
他にも各部署のトップもどういう考えを持っているか知られれば良いです。
なぜかと言うと、決定権があり影響力を持つ人を味方にしないと環境改善はできないので、その人たちの意向に沿う行動をしなければならないからです。
色んな部署の人と会話できる環境を作る努力を惜しまないのは大事です。

今回だけではなく、会社員として過ごすなら常に情報網は持っていたいです。
損得は考える(但し絶対にバレない事)
こんな言い方をすると悪いことをしているように聞こえますが、鬱なりに追い込まれるぐらいなら、損得を考えて動きましょう。
ただし、絶対にバレないように。
- 環境を変える力がある人とのホットラインがある
- 自分の知らない情報を持っている
- 敵の敵(自分を攻撃してくる大ボスが他にも攻撃している相手)
こんな人は特に、性格が悪かったり、「クズだなー」と思うような相手でも、うまくやりましょう。
いい人オーラを出しまくりましょう。
そして同時に「これは損になる」と判断できることは、適当に理由をつけて絶対にやらないように気をつけましょう。
(例:上司の意向に沿わない頼まれごとなど)
私が実践したパワハラ・いじめ対策
「仕事に対する心得と今回の作戦への準備」で心得を胸に焼き付けたら実行に移します。
敵の見極め 一気に多人数は叩けない
まずは主犯格が誰かを割り出します。

私は主犯格を見つけるのは簡単な作業でしたが、陰湿な場合は難しいかもしれません。
主犯格を見つけたら、忠実な取り巻き・なんとなく流されているだけの人、を見分けます。
主犯格と最も忠実な取り巻き2人、一気に攻撃できるのはこの程度です。(私はターゲットを主犯格と忠実な取り巻き1人に絞った)
健気な自分を演出 いじめの雰囲気を出す
『私は強く頑張っているわよ』という態度は一文の得にもなりません。
大事なのは『パワハラ・いじめを受けて辛いけど、でも仕事はがんばります』という善良な弱者である姿を一定期間、周囲に見せることです。

弱い人が強い人に苦しめられているのは良くない、という日本人の勧善懲悪が好きな心理を利用します
この時期に、相手の法律的にアウトな例や倫理的にアウトな言動をできるだけ多く集めておくよう心がけましょう。(自分に対する物だけではなく、他の人や仕事に対することでもOK)
同情の雰囲気を最大限に広げる
暫くの期間パワハラやいじめを受けている雰囲気を醸し出したら、数人に辛い気持ちを打ち明けます。(廊下でのすれ違いざまなどに本音っぽく)
この打ち明け相手に選ぶのはできるだけ、以下のような人を選びます。
- おしゃべりな人
- 力がある人とホットラインがある人(喫煙室で話す人など)
この時、必ず「私がご迷惑をかけているのが悪いのですが、でも辛い」という言い方をしましょう。
この言い方をすると、だいたい「そんなことないよ!権利だし、パワハラやいじめをする人が悪い」という話の流れや雰囲気に持っていけます。

じゃっかんの、辛そうな演技はOK!
ここで他の人から心配の声をかけられるようにまでなったら大チャンス到来
同じ要領で「私が迷惑をおかけしている」と前置きして、質問にはどんどん事実を伝えて辛いと言いましょう。
この段階で空気を察してパワハラ・いじめが収まればラッキー 作戦はここで終了です
周りの「パワハラ・いじめ、ダメじゃない?」という空気を察して、パワハラやいじめが収まればラッキーです。
私の場合は、空気を察した数人が話しかけてくるようになりました。
態度を変えた人たちを許す必要はありませんが、目的は達成したので大人の対応で今後やっていきましょう。

主犯格のような人は、そんなことに動じないちょっとアレな人だから、パワハラやいじめをしてくるんですけどね。
上司に法律的にアウトな部分を強調し相談
残念ながらパワハラ・いじめが収まらなかったら、とうとう本格的に動き出すタイミングです。

私の場合は、隣の部署で1番の地位にある人から心配の声をかけられた時に、相談するタイミングだと判断しました。
相談の際は、最初に見極めた敵の法律的にアウトな部分を強調し訴えるようにします。
そして、鬱になりそうなニュアンスのことも伝えるとなお良いです。
法律的にアウトなパワハラやいじめで部下が鬱になり診断書が出たら、上司の立場的にもマズいですしね。
自分以外に対するパワハラ・いじめ・法令違反もセットで報告すると、更に効果的です。
これはフロアの1番の上長に直接ではなくても、直接伝えられる立場の人でも構いません。
私も伝えてもらいました。
改善された内容と現在の私の状況
この作戦で得た結果は以下の通りです。
- 主犯格は私に攻撃をしなくなった
- 上司の忠告にビビった取り巻きは話しかけてくるようになった
- 「干されている」状態ではなくなった
1番の上長ではなく、その下の上司が「仕事の継続も危うくなる」と脅してくれたそうでピタッと止みました。
浮いた存在であることに変わりはありませんが、きちんと仕事ができる状態になり良かったです。
また、主犯格以外とは表面上は殆ど産休前の状態に戻りました。(あくまで表面上)

パワハラ・いじめに加わった人たちと仲良くしたいとは思わないのですが、きちんと大人の対応をしています。
周りから調子に乗ってると思われたら困るので。
主犯格だった女性が時々、思い出したように嫌味を言ったり嫌がらせしてきますが、仕事に不都合は出なくなったのでもう良いです(笑)
この作戦のコツと発想 これを知れば応用可能
この作戦にはコツ・ベースになる思想があります。
これを知っていれば、いくらでも応用可能だし成功率が変わると思います。
コツは静かにバレずに進めるとこと
最終的に主犯格とその取り巻きに上司からの鉄槌が下るまで、いかに自分が動いているかバレないようにするかがこの作戦の肝です。

密かに動いていることがバレたら、何をされるかわからないので。
敵が鉄槌を受ける時は、不意を突かれる状態であることが1番効果的です。
その為にも、いじめられても仕事をする為に頑張っている健気な自分を演出し続けサンドバッグ状態をキープする必要があります。
突然ですが「風林火山」という言葉を知っていますか?
戦国武将の武田信玄が旗に掲げていたとされる言葉です。
「疾きこと風の如く、しずかなること林の如く、侵略すること火の如く、知りがたきこと影の如く、動かざること山の如く、動くこと雷霆の如し」という意味が込められています。
山のように動かず、林のように静かに、風のように早く、火のように侵略する、を心がけて作戦を実行しましょう。
発想の元は「孫子の兵法」
孫子の「兵法」を読んだことがある人、知識がある人なら読んでいて途中で気づいたと思います。
この作戦の発想は孫子の「兵法」から来ています。(先程の風林火山も「兵法」が出典元です)
紀元前500年ごろの中国の軍事思想家の本です。

実は国を問わずビジネス書として大人気で、わかりやすく解説した本や、子ども向けの本まで出ています。
- 情報を集めて、自分に有利な雰囲気を作る。
- できれば、周りの部署から同情の雰囲気が出たときに気づいてやめて欲しい。(戦わずにして勝つ)
- しかし、それでも変わらなければ徹底して戦う
完全に「兵法」の影響を受けた作戦です。
新訂版じゃなく解説されたもので良いので、できれば1度読むことをお勧めします。(間違ってソフトバンクの孫正義さんの本を買わないように気をつけて下さいね)
買わなくても、少なくとも孫子の「兵法」についてググってみて下さい。
この作戦を経て得る物は鉄のハート
これを実践するには意識的にあえていじめられたり、その中で相手のアウトな言葉や行動を引き出したりする必要があります。
気づくと、ずいぶん精神的にタフになっていました。

生半可な気持ちでできる作戦では無かったですしね。
作戦みたいなこと、好きでやる訳はありません。
でも、社会人として生き残る為にはどうしなくてはいけないか、かなりの勉強にもなりました。
一匹狼でも平気になりました。
最後に、多くの感謝すべき人たち
この作戦は誰にも相談することなく、自分で考え自分で実行しました。
でも、多くの人に支えられたり、多くの人に気づきを与えてもらいました。
孫子を私に読ませた大学のゼミの教授
今回の作戦の1番のスペシャルサンクスは、大学(Fラン)時代のゼミの教授です。

お前らどうせ勉強できねーんだから、勉強なんかしてないで社会に出て役立つことを身に付けろ。
こうして、私たちは孫子の「兵法」を読まされました(笑)
今、考えると社会に対してや政治に対してなど、自分の頭で考えるベースになる本をたくさん読まされました。
この時期に得た教養は、確実に今の私の礎になっています。恩師です。感謝しかないです。
家族、夫の支えと子どもの存在
夫はいつものパターンで口に出さずに心配してました。

心配してない風を装ってるけど、気にしてくれてたことぐらい、15年近く一緒に居たらわかるよ。
そして、娘の存在。
この子を一定レベルの生活水準で育てるには、ここで泣き寝入りしている場合じゃない、と心の支えになりました。
育児なので大変なこともいっぱいあるけど、家で笑顔を見るたびに「頑張らねば」と思えました。
家族が居なかったら、あれだけのパワハラ・いじめには耐えきれなかったです。
パワハラ・いじめをしてきた相手
こんな大掛かりな作戦を実行することは、そうそう無いですからね。
今回、私にとって大きな成長のきっかけとなりましたし、気づきも多かったです。
なので、今となっては、まぁ、よい機会だったかなと。

2度と経験したくないけど。
あと、なぜ、あそこまで人に対して荒ぶれるのかを、けっこう興味深く観察していました。
反面教師として『娘がこういう人物にならないようにするには、どう育てれば良いのか?』そう思いながら、背景を考察したりなどしていました。
かなり勉強になりました(苦笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございました
長くなりましたが以上です。
読んでくださった人は、今現在、辛い状況に置かれている人が多いかと思います。
これを読んで、孫子の『兵法』を参考に事態を解決の方向に進ませられれば、こんなに嬉しいことはありません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。